またつまらぬものを買ってしまった…
散財日記
2009-05-11
_ 鉄道模型社 モハ20系 (151系) (1)
16番ゲージの伝説のモデルと呼ばれる製品の一つに天賞堂の「こだま型電車」(151系)がよく挙げられています。しかし、それとは異なる意味で伝説のモデルと言えるのが、今回紹介する鉄道模型社製モハ20系(後の151系)だと思います。
松本吉之著「鉄道模型考古学」でその存在を知って以来、できれば手に入れたいなあと思っていたのですが、偶然にもオークションで全形式(クハ26x2、モハ20x2、モハシ21x1、サロ25x3)を入手することができました。購入日時は 2009/04/28。オークション終了直前になって価格が高騰し、落札時にはかなりフトコロが寒くなる結果になりました。
この製品が発売されたのは実車がデビュー(1958年)した翌年の1959年。16番ゲージ最初の「こだま型電車」です。ヘッドマークはなんと手書きです。半世紀も前の製品ですが、その割には状態は非常に良いです。また、デビュー直後の状態(モハ20系)をプロトタイプにした完成品は、1996年にカツミ模型店が50周年記念商品として発売されるまで存在しなかったので、そういう意味でも貴重な製品だと思っています。
比較的状態は良いとはいえ、あちこち手を入れる必要はあります。そこで以下整備の様子を順次紹介していきます。まず取りかかったのは先頭車のクハ26。整備項目は
- 車体と窓ガラスの清掃
- 外れかかった窓ガラスの補修
- 車輪の洗浄
です。
まず上回りと下回りを分離します。上回りのアングルとボンネット下部の合計8箇所でネジ止めされていました。
次に車輪を外して例によって「ブラスクリーン」で洗浄しようとしたのですが、台車枠とボルスタを止めるネジを外しても台車枠が外れません。どうやら組み立ててから台車を塗装したため、塗料が接着材のようになってしまったようです。仕方がないので力任せに無理やり車輪を外しました。窓ガラスは単に接着材で止めてあるのではなく、車体内側の爪によって固定されていました。外れかかって見えたのは経年劣化のために窓ガラスが浮き上がっていたためです。そこで、窓ガラスが浮き上がった部分は窓枠に両面テープを貼って押さえることにします。
車体は台所用中性洗剤で洗った後、アルコールウェットテッシュで拭き取り。最後にライトの点灯チェック。
参考までに、カワイモデルのクハ151と並べて比較してみました。 奥(左側)がカワイ製、手前(右側)が模型社製です。
カワイ製品は1964年発売、1961年に増備されたクハ151-7〜11をプロトタイプにしています。プロトタイプとした時代の違いにともなう細部の違い(屋根上ライト脇タイフォンの有無、連結器カバーの有無)もさることながら、ボンネット部の印象はかなり異なります。ホワイトメタル一体鋳造のカワイ製からはかなり重厚感を感じるのに対し、模型社製はすっきりとした印象を受けます。同じ車両でもメーカーによる個性が出ていておもしろいです。
そういえば OJ ゲージで151系を販売したモデロセッテが、同じ設計方針で16番ゲージ版を生産予定とのことですが、どんな製品になるんでしょう。最近発売されたカツミ製とはまた違った出来になるんでしょうね(どうせ高くて買えませんが)。