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散財日記

2009-09-14 この日を編集

_ カツミ C57 4次型 レストア記

昨日は欝でした。先週はそこそこ調子が良かったのですが、突然どん底におちました。家でのたうちまわっていました。天気があまり良くなかったのも一因です。

自分では気分を切り替えられないので、何かに没頭して欝スパイラル思考から強制サルベージするしかありません。そこで以前に入手したもののお蔵入りになっていた、カツミ製 C57 4次型のレストアを行うことにしました。

実車は主に北海道と九州で活躍していましたが、晩年には多くのカマが逆転機が動力式からネジ式に、ランニングボードのカット、デフレクターには点検窓が開けられ、この製品のようなオリジナル形態を保ったカマはほとんどありません。さらに北海道では旋廻窓と回転式火の粉止め(通称「皿」)、ランニングボード上に標識灯が設置され、九州ではキャブドアの撤去が行われました。

ということで、特定ナンバー機を想定してレストアすると加工箇所にきりがなくなるので、模型としてのオリジナル状態に戻すことを目標にレストアを開始しました。具体的には

  • 破損したギアボックスの交換とモーターの調整
  • 上回りの再塗装
  • ブレーキシュウの取り付け
  • ナンバープレートの交換、メーカープレートの取り付け
  • 窓ガラス板の追加

を行いました。

まず下回りの再生から始めます。ご覧の通りオリジナルのギアボックスは破損しているので、モーターともども取り外します。モーターも軸受け部に注油しても全く動作する気配がないので交換することにしました。ギアボックス、モーターともにアダチ製に交換です。第二動輪に取り付けられたウォームホイールがギアボックスに収まるか、ウォームとうまく噛み合うか心配でしたが、あっさり成功。取説にはグリースを塗るよう指示がありましたが、軸受け部に注油するだけで滑らかに動作しました。モーターも付属のモーター台を元モーターの取り付けネジ穴を利用して取り付けることができました。この模型の生産元は実はアダチなのですが、40年前の製品に現行パーツがそのまま使えることにアダチの良心を感じました。

ブレーキシュウもアダチのプラ製 C 型蒸気用を用いましたが、これはネジ穴径(付属のネジは M1.4)も取り付け位置も合いません。そこで、M1.4 用ナットを二個重ねて動輪押さえ板から浮かせ、M1.0x5mm のネジで固定しました。

下回りが一段落ついたので次に上回りの再生に進みます。まずナンバープレートを外し、アサヒペン塗料はがし液で塗装をはがし、クレンザーで洗浄、最後にマッハ模型の「ブラスクリーン」を綿棒に付けて表面を軽く清掃します。塗装の前にネジ止めされている安全弁ははずしておきます。塗装の下地処理は Mr.メタルプライマースプレーを使い、乾燥後 Mr.カラースプレー #33「つや消し黒」を吹きました。半艶仕上げにしようかとも思いましたが、下回りの黒染め処理されたシリンダーブロックなどとのバランスを考え、つや消し仕上げのままとしました。

塗料乾燥後、ナンバープレートとメーカープレートを取り付けます。ナンバープレートは珊瑚製、メーカープレートはだるまや製です。この珊瑚製 C57 用ナンバーは全33種中4次型用が6種類(190、194、196、197、200、201)も含まれているという涙物。だるまや製(192, 201)もあわせれば、4次型全12両のうち7両が選択できます。結局ナンバーは最初は仙台に所属し後に北海道に渡り、ラストナンバー 201 号機とともに最後まで急行列車運用を担った 194 号を選択、メーカープレートは三菱です。当初両面テープで固定しましたが、固定が甘いので結局ゴム系接着剤で取り付けました。キャブ窓にはエコーの t0.3 窓ガラス板を適当なサイズに切り出して、ゴム系接着材で取り付けます。

組み立て前に車輪を KATO のレールクリーナーで磨き、ボイラー側の上回りと下回りをネジ止め、テンダーに台車を取り付け、あとは走行チェックだけ、というところではまりました。ボイラー側に配線を直結させると滑らかに走行するのに、テンダーと連結させるとどこかでショートを起こしているらしく動きません。散々調べ悩んだ挙句に発見した原因がこれ。

テンダー用車輪の絶縁側車軸が磨り減っていたために絶縁側車輪が台車枠に接触してショートしてました。新品の日光製φ10.5プレート車輪(プレーン軸)に交換すると問題解消、R600 のエンドレスを快調に走行しました。

以上まで丸一日かかりましたが、レストア完了です。

塗装やプレート類の取り付けには少々不満もあるのですが、初めての SL 模型レストアにしてはまずまずの出来かなと思います。

追記 (2009/09/15)

実際にお座敷エンドレス上で客車を牽引させて走行させると、第一動輪が浮き上がる空転が頻発。

  • モーター取り付け位置を前後に移動
  • テンダー車輪の転がりがよくないので、取り付け位置に注意しながらオリジナルの車輪に戻す
  • 動輪の軸バネをアダチ製の新品に交換

と、いろいろやってもだめ。よーく眺めてみると、先台車が車体を押し上げているように見えました。これは「先台車取り付けネジにかましてある復元バネが強すぎるのでは?」と思い、もう少し強度の弱い適当なバネ(たぶん日光モデルの「木製床板用センターピン」の余り部品)と交換してみたところ、見事に解決。

単機運転だけで走行チェックを終わらせていたのが敗因。勉強になりました。しかし低速時の走行性は向上したのですが、牽引力は棒型モーター装備時の方が大きいように感じるのは気のせいでしょうか。

追記 (2009/10/02)

「第二動輪に取り付けられたウォームホイールがギアボックスに収まるか、ウォームとうまく噛み合うか心配でしたが、あっさり成功。」と書きましたが、後で昭和45年(1970)発行のカツミのカタログを参照すると、C57 4次型のギア比は 30:1 と記載されていました。アダチ製蒸気用ギアボックス(No.0108)もギア比 30:1 用なので、うまく噛み合って当然でした。他のシュパーブラインの SL のギア比も全て 30:1 と記載されていたので、ギアボックスが破損してもアダチのパーツが使えます。