散財日記
2009-05-06 この日を編集
_ 真夏のオリオン
池上司原作の小説「」が、「」作者の福井晴敏の脚色によって、今年映画公開されるそうです。公式サイトはこちら。やたら Flash ムービーが重いです。
「」の後書きで池上氏自身が記しているように、もともとこの小説は執筆時にも映画化が検討されていたそうなのですが、諸般の事情で見送られたとのこと。佐々木譲の「」とともにW.W.IIを題材にしながら、ハリウッド的勧善懲悪物語(要は敵役をはっきりさせてしまう)になっていないところが好きな小説だったので、映画化に至ったこと自体はとても評価できるかなと。
問題は脚色が福井晴敏であること。「」は映画化されると聞いて原作も読み、映画(2005)も見ましたが、結局はハリウッド的勧善懲悪物語な感がぬぐえず、個人的評価はイマイチ。日本人は楽しいと思うかもしれませんが、アメリカ人が見たらつまんねーだろうなあ、と思うのです。以前公開された「(2001)」を日本人が見て楽しめるのはラストの日本海軍による真珠湾攻撃シーンだけじゃね?と思うように。ちなみに「(2001)」 は超駄作。「(1970)」 には遠く及びません。
というわけで戦争映画、とくに潜水艦モノは一方的に「敵役をやっつけろ」という筋になると途端に駄作になってしまう。最近公開された映画でその典型は「(2000)」。まじでつまらん。 これに対し、双方の立場を中立的に描いたり誰が敵で味方か最後までわからないストーリーにすると傑作となります。その代表作は「(1957)」。以後の潜水艦モノ映画の原点といっても過言ではないと思います。最近の良作としては「(1990)」、「(1995)」、「(2002)」 ですね。「(1981)」はドイツ側の視点で描かれていますが、ラストが秀逸なので傑作と言ってよいと思います。
まあいずれにせよ、好きな小説が映画化されるということで、期待したいと思います。